淵に立つ
上映スケジュール |
2016年12月10日(土)〜12月23日(金) 12/10(土)〜12/16(金)14:45〜
|
---|---|
料金 |
当日一般:1700円 |
2016年/カラー/日本・フランス合作/119分/英題:HARMONIUM
監督・脚本:深田晃司
撮影:根岸憲一、サウンドデザイナー:オリビエ・ゴワナール
音楽:小野川浩幸、主題歌:HARUHI
出演:浅野忠信、筒井真理子、太賀、三浦貴大、篠川桃音、真広佳奈、古舘寛治
公式サイト:http://fuchi-movie.com/
第69回カンヌ国際映画祭
「ある視点」部門審査員賞受賞
Warning: Undefined variable $cs1 in /home/wp091219/risseicinema.com/public_html/wp-content/plugins/only-tweet-like-share-and-google-1/tweet-like-plusone.php on line 756
Warning: Undefined variable $cs2 in /home/wp091219/risseicinema.com/public_html/wp-content/plugins/only-tweet-like-share-and-google-1/tweet-like-plusone.php on line 756
第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門 審査員賞 受賞!
初ノミネートで初受賞の快挙!世界を挑発する新世代・深田晃司監督
圧倒的な人間描写で“家族”を問い直す、2016年最大の衝撃作
現代日本の揺れ動く家族像を冷徹かつユーモラスに描き、恐るべき新人監督の登場に各国の映画祭が湧いた『歓待』(2011)。二階堂ふみ演じるヒロインの一夏の経験を瑞々しく綴り、ナント三大陸映画祭グランプリ他を受賞した『ほとりの朔子』(2014)。荒廃した近未来を舞台に、人間とアンドロイドの対話を通して生と死を見つめた『さようなら』(2015)。一作ごとに人間ドラマの新たな地平を切り拓き、世界の映画シーンにその名を刻み続ける深田晃司の最新作が、第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門審査員賞を受賞。30代の若さでカンヌに初参加、いきなり公式部門にノミネートされ、受賞を果たす快挙を成し遂げた!90年代後半に国際的に登場し始めた黒沢清、是枝裕和などカンヌ常連組の中に仲間入りし、河瀬直美監督『萌の朱雀』(1997)が脚光を浴びて以来、約20年ぶりに発見された日本の新たな才能に、世界中が熱烈な期待を寄せている。
郊外で小さな金属加工工場を営む夫婦とその一人娘。ある日、夫の旧い知人で前科を持つ男がやって来て、奇妙な共同生活が始まるが、やがて男は残酷な爪痕を残して去っていく。それから8年。夫婦は皮肉なめぐり合わせにより、男の消息の手がかりをつかむ。だが救いのように見えたそれは、夫婦にとって互いの心の奥底を覗き込む行為に他ならなかった——。
家族を振り回す謎の男を演じるのは、国内外で高く評価された『私の男』『岸辺の旅』やマーティン・スコセッシ監督『沈黙』などに出演し、国際的に活躍する浅野忠信。本作では善悪では括れない不可思議なキャラクターを、怪しくも魅力的な佇まいで演じ、観る者の心をかき乱す。夫役には、深田組常連俳優の古舘寛治。『歓待』で演じたアグレッシブな役柄とは対照的な、寡黙さの内に覚悟を秘めた夫の役で新境地を見せる。妻役には、数々の映画、テレビドラマ、舞台で変幻自在な演技を見せる筒井真理子。本作でも劇中における妻の心身の変化を凄まじいまでの説得力で体現する。その他、太賀、三浦貴大などの若手実力派が主人公たちの関係性を左右する重要な役で登場する。
製作陣には、昨年のカンヌ国際映画祭「ある視点」部門オープニング作品に選ばれ、日本国内の約150館、世界45か国で上映された河瀬直美監督『あん』の主要メンバーが揃った。本作も世界に向けて発信すべく、『あん』や黒沢清監督『岸辺の旅』、諏訪敦彦監督『不完全なふたり』などを手がけたフランスの映画製作会社COMME DES CINEMASと共同制作を行い、ポストプロダクションはすべてフランスで敢行。完成直後から、各国より上映のオファーが相次いでいる。
「孤独な肉体を抱えた個々の人間が、たまたま出会い、夫婦となり親となり子となって、当たり前のような顔をして共同生活を営んでいる。私にとって、家族とは不条理です」
そう語る深田晃司が、最高のキャスト・スタッフと組み、大胆にして緻密なストーリーテリングで観客一人ひとりの想像力と価値観に揺さぶりをかける衝撃のドラマ。観る人すべてをタイトル通りの境地へと誘う映画が誕生した。
【海外レビュー】 衝撃の人間ドラマに、世界が熱狂!絶賛!
静かに燃え上がる罪と罰の物語。
鋭い視点で家族像に迫り、ロベール・ブレッソンや大島渚を彷彿とさせる!
俳優たちの演技が見事で、古舘は胸をえぐるような演技を披露し、
特に、筒井の演技のセンスは完璧に近く、彼女の内面の奥深さには驚かされる。
さらに、浅野は圧倒的な存在感を見せている。—–Variety
心の動きを巧妙かつ丁寧に映し出し、愛や血のつながりで結ばれた関係がいかに脆いかをじっくりと描いている。最後まで目が離せない!—–Screen Daily
怒れる映画作家!辛辣なメロドラマで見る者の心を激しく揺さぶる。
力強いモチーフ(音楽、空間、身振り)を繰り返し使い、表に出ないまま発酵した秘密と登場人物を対峙させ、沈黙と謙虚さをよしとする文化を非難している。—–Le Monde
日本で最も創造的な映画監督の1人だ!
日本の伝統を打ち破る斬新な家族ドラマにはショッキングな結末が待っている。
見れば衝撃を受けずにはいられないはずだ。—–Hollywood Reporter
静かな演出の中に狡猾で聡明な器量が輝きをみせる。
自然の光と影を利用し、一見、平静を装っている表層の裏側にある、残酷な真実を暴く。Libération
深田が影響を受けていると語る巨匠エリック・ロメールのように、感情を繊細に描き、無駄に饒舌に感情を語らず、物語の構造を通して登場人物に共感できる。はっきり言おう。「淵に立つ」は傑作であり問題作だ。
—–Gala
夫婦というものを容赦なく描き、本当の意味で伴侶を理解することの不可能性を描く。
今年のカンヌで最も過酷な作品で、また、最も素晴らしい演出と演技の作品の一つだ。—–ARTE
強烈で破壊力のある映画!ミステリーと幻想を融合させた驚くべき作品だ。—–Les Inrocks
この家族のメロドラマは、偶然と運命が交差し、優しさと暴力が交じり合う、空想的な挿話だ。罪責と(自己)処罰を背景とし、偶然と運命を探り、おぞましさと寛容を対立させて、一見して波乱のない家族の日常を描いているのに(ラスト以外は)、最後まで目が離せない。—–Télérama
【ストーリー】
一見平和な家族が、ある異分子の侵入によって姿かたちを変えていく。
分裂と融合、崩壊と再生、罪と罰を重ねた果てには何があるのか?
私たちはなぜ、共に生きようとするのか?
郊外で小さな金属加工工場を営む鈴岡家は、夫・利雄(古舘寛治)、妻・章江(筒井真理子)、10歳の娘・蛍(篠川桃音)の三人家族。夫婦の間に業務連絡以外の会話はほとんどないものの、平穏な毎日を送るごく平凡な家族だ。そんな彼らの前にある日、利雄の旧い知人で、最近まで服役していた八坂草太郎(浅野忠信)が現れる。利雄は章江に断りなくその場で八坂を雇い入れ、自宅の空き部屋を提供する。章江は突然の出来事に戸惑うが、礼儀正しく、敬虔なクリスチャンである章江の教会活動に参加し、蛍のオルガンの練習にも喜んで付き合う八坂に好意を抱くようになる。八坂に負い目がある利雄は、家族の一員のように振る舞い、妻と親密な様子の八坂を見て見ぬ振りをする。そしてある時、八坂は一家に残酷な爪痕を残して姿を消す。8年後。八坂の行方は知れず、利雄は興信所に調べさせているが、一向に手がかりはつかめない。工場では古株の従業員・設楽篤(三浦貴大)が辞めることになり、代わりに山上孝司(太賀)が新人として入ってくる。母を亡くして独り身の孝司は屈託のない人柄でたちまち夫婦の信頼を得る。だが皮肉な巡り合わせにより、八坂の消息をつかめそうになった時、利雄と章江は再び己の心の闇と対峙することになる――。
浅野 忠信(あさの ただのぶ)
1973年11月27日生まれ、神奈川県出身。1990年、『バタアシ金魚』(松岡錠司監督)で映画デビュー。海外にも活躍の場を広げ、『孔雀』(99/クリストファー・ドイル監督)、『地球で最後のふたり』(03/ペンエーグ・ラッタナルアーン監督)、『モンゴル』(07/セルゲイ・ボドロフ監督)などで主演をつとめ国際派俳優の地位を確立。2011年には『マイティ・ソー』(ケネス・ブラナー監督)でハリウッドデビューを果たし、『バトルシップ』(12/ピーター・バーグ監督)、『47RONIN』(13/カール・リンシュ監督)など立て続けにハリウッド映画にも出演。2014年は『私の男』(熊切和嘉監督)で第36回モスクワ国際映画祭最優秀男優賞を受賞、2015年は第68回カンヌ国際映画祭ある視点部門監督賞を受賞した『岸辺の旅』(黒沢清監督)に出演。公開待機作に、2016年アメリカ公開予定の『沈黙~Silence~』(マーティン・スコセッシ監督)、「幼な子われらに生まれ」(17年公開/三島有紀子監督)などがある。
筒井 真理子(つつい まりこ)
山梨県甲府市出身。早稲田大学在学中より鴻上尚史主催の「第三舞台」で看板役者の一人として活動。1994年に映画『男ともだち』(山口巧監督)で主演デビュー。以後、舞台をはじめ映画・テレビ・CMと幅広く活躍。主な映画出演作に『クワイエットルームにようこそ』(07/松尾スズキ監督)、『アキレスと亀』(08/北野武監督)、『ヒーローショー』(10/井筒和幸監督)、『希望の国』(12/園子温監督)、『探偵はBARにいる2』(13/橋本一監督)、『クロユリ団地』(13/中田秀夫監督)、『かぐらめ』第39回モントリオール世界映画祭正式出品(15/奥秋泰男監督)、『Love of Love』主演(16/園子温監督)など。2014年NHK連続テレビ小説「花子とアン」で嘉納家の女中頭・山元タミ役を好演。今後も出演する数々の公開作品を控え、変幻自在な演技で注目を集めている。2016年には松本明子とともに漫才コンビ「つつまつ」を結成、初舞台を踏むなど様々な顔をみせている。
古舘 寛治(ふるたち かんじ)
名バイプレーヤーとして数多くの映画やドラマに出演。平田オリザ主宰の劇団青年団と松井周主宰の劇団サンプルに所属、舞台をベースにTVドラマや映画にも出演。深田晃司監督作には『東京人間喜劇』(08)、『歓待』(11)、『ほとりの朔子』(13)に出演している。近年の代表作は舞台「ヒッキー・ソトニデテミターノ」(12/岩井秀人演出)、「地下室」(14/松井周演出)、「蒲団と達磨」(15/松井周演出)、映画『マイ・バック・ページ』(11/山下敦弘監督)、『キツツキと雨』(11/沖田修一監督)、『夢売るふたり』(12/西川美和監督)、『シャニダールの花』(13/石井岳龍監督)、『マエストロ!』(15/小林聖太郎監督)、『トイレのピエタ』(15/松永大司監督)など。2016年は『セーラー服と機関銃-卒業-』(前田弘二監督)、『下衆の愛』(内田英治監督)、『太陽』(入江悠監督)、『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』(宮藤官九郎監督)などに出演。秋には、マキノノゾミ作の舞台「高き彼物」で初演出に挑む。
深田 晃司 (ふかだ こうじ) 監督・脚本・編集
1980年1月5日生まれ、東京都出身。大学在学中の99年に映画美学校フィクションコース入学。長・短編3本を自主制作した後、2005年に平田オリザが主宰する劇団「青年団」に演出部として入団。06年、バルザック「人間喜劇」の中の一編をテンペラ画のアニメーションで表現した中編『ざくろ屋敷』を発表し、パリ第3回KINOTAYO映画祭ソレイユドール新人賞を受賞。08年、再びバルザックから着想を得た長編『東京人間喜劇』を発表、ローマ国際映画祭、パリシネマ国際映画祭他に選出される。10年、本作『淵に立つ』の構想から派生した『歓待』(11年公開)が東京国際映画祭日本映画「ある視点」作品賞、プチョン国際映画祭最優秀アジア映画賞を受賞。13年、二階堂ふみ演じる18歳のヒロインの一夏の体験を描いた『ほとりの朔子』(14年公開)でナント三大陸映画祭グランプリ&若い審査員賞をダブル受賞。15年、放射性物質に汚染された近未来の日本を舞台に難民の外国人女性とアンドロイドの交流を描いた平田オリザ原作の『さようなら』(15年公開)が東京国際映画祭メインコンペティション選出。16年、マドリード国際映画祭にてディアス・デ・シネ最優秀作品賞を受賞。10月5日にDVD発売開始。本作『淵に立つ』で長編5作目となる。現在、全編インドネシアロケによる青春映画の準備中。