At the terrace テラスにて

上映スケジュール

2017年7月1日(土)〜7月7日(金)

連日17:10〜
★7/1(土)山内ケンジ監督 舞台挨拶!(上映後)

料金

当日一般:1700円
学生・シニア:1400円
立誠シネマ会員:1000円
全国券着券可

2016年/日本/95分

脚本・監督 山内ケンジ
出演 石橋けい、平岩紙、古屋隆太、岩谷健司、師岡広明、岡部たかし、橋本 淳
配給・宣伝:SPOTTED PRODUCTIONS

公式サイト:http://attheterrace.com

100%富裕層向け映画。
安全な場所から、富裕層の生態をお楽しみください。

【イントロダクション】
ある邸宅でのパーティの夜。色白の人妻、はる子の「白い腕」に男たちは熱い視線をむけ、専務夫人は嫉妬の炎を 燃やす。日頃取り繕っていた仮面が剥がれ落ち、欲望、嫉妬、秘密の暴露が飛びかうテラスでの会話劇。
監督は、ソフトバンクモバイル「白戸家」など数々のヒットCMを手がけるCMディレクターであり、”城山羊 の会”劇作・演出家としてジャンルを越えて活躍する鬼才・山内ケンジ。第 59 回岸田國士戯曲賞受賞作品「トロワグロ」を公演時と同じキャストで、自ら完全映画化した本作は、類をみないワンシチュエーション会話劇です。出演には、山内作品のミューズ・石橋けい、「とと姉ちゃん」の記憶もあたらしい平岩紙。紅2点を囲む男性陣に、古屋隆太、岩谷健司、師岡広明、岡部たかし、橋本淳の名優が集結。100%不謹慎、7名が繰り広げる、人間のすべてがつまったテラスでの90分。昨年の監督作品『友だちのパパが好き』に続き、第29回東京国際映画祭 日本映画スプラッシュ部門 公式出品が決定、連続出品の快挙を成し遂げる。

【ストーリー】
それは、笑い声がさざめくいつものパーティのはずだった。東京近郊、とある豪邸のテラスで、富裕層が集まる宴がそろそろ終わりの時間を迎えようとしている。しかし、人々には帰れない理由があった。透き通るように色白の女性、はる子(平岩紙)。彼女の白い腕のまわりには、まるで蛾のように男達がよってきては離れない。豪邸の持ち主である専務(岩谷健司)とそのイケメンの息子(橋本淳)、エリートだけどたぶん童貞の会社員(師岡広明)に、胃を切り取ったばかりの中年男(岡部たかし)、そして、グラフィックデザイナーである彼女の夫(古屋隆太)。さらには、そんな男たちを冷めた目で見つめ、はる子に嫉妬の炎を燃やす美しい専務夫人の存在(巨乳)(石橋けい)。それぞれの妄想を胸に秘めたパーティの出席者たちが、たわいもない会話を繰り返すうちに導き出す、とんでもない結末とは。庭のムササビだけが見ていた、今の日本をはからずも象徴する人間たちの生態観察95分間。どこにもない稀有な笑いと衝撃を体験できる山内ワールドの真骨頂。

『At the terrace テラスにて』監督コメント

この90分の間に全てが起きるのです。 文: 山内ケンジ

この映画は私が書いた戯曲の映画化です。ある夜の屋敷でのパーティーで、宴は終わりかけ、帰りぎわに、残った数人と屋敷の主人夫妻。登場人物は 7人だけ。場所もその屋敷のテラスのみ。そのテラスでの90分間を描いたものです。さて、映画を愛する人の多くが、舞台作品の映画化に対してアレルギーを持っていることを私も知っています。場所がいつまでも変わらなかったり、会話が長いと飽きてしまう。「演劇を見に来たんじゃない」と思う。
パーティーだけ? テラスだけ? そんな、なにも起こらないじゃないか。退屈な話だ、と。ところが、なにも起こらないどころか、ここでは、この90分の間に全てが起きるのです。昼間は礼儀正しく勤勉に仕事をし、ちゃんとした社会人として日本を支えている彼らが、パーティーという、そもそも彼らにはあまりにも慣れていない時間の中で、お酒も入り、ある人妻の「白い腕」を褒め称える。そんな他愛ないきっかけから、いつのまにか自分を隠すどころか、さらけ出していく。昼間は奥ゆかしく無口なのに、「白い腕」をめぐって議論し、からかいと怒りと嫉妬と欲望にがんじがらめになっていきます。全て起きる、というのは大げさでしょうか。ええ、ちょっと大げさかも知れません。しかし、「ほとんど」のことがこのテラスで起きるのです。今の日本社会の「ほとんど」です。