月刊平野勝之 京都篇「戦う映画監督平野勝之」【R18+】

上映スケジュール

2016年6月18日(土)~6月24日(金)

連日16:20〜

料金

一般:1500円 / 学生・シニア:1200円 / 立誠シネマ会員:1000円
※当日券のみ

本特集は【R18+】指定の作品が含まれます。
該当作品の18歳未満の方のご鑑賞はお断りさせていただきます。

平野勝之監督最新作『青春100キロ』の京都公開を記念して、平野勝之監督自選、京都初上映の作品を日替わりで上映いたします!平野ファンにとってはまさに「まぼろし」の作品の数々がスクリーンに。そして、初めて平野作品に足を踏み入れる方には一生ものの衝撃が待っています。今回は、『水戸拷悶』に代表される平野勝之がAV制作会社シネマユニットガス時代に監督した、まさにビデオ「商品」を前代未聞の「作品」に高めた傑作群を中心に上映。
特集初日には、超レアな未公開作品「太平洋の地獄 サイパン水着ギャルの戦争」第一部上映+まぼろしの第二部平野監督生解説付き上映も開催!

漫画家を経て、PFF3年連続入賞を遂げた8mm時代、シネマユニットガス時代、そして『監督失格』…
いつ、どのフィールドにおいても全力で突き抜けて来た映画監督・平野勝之の底力と、作品に注ぐ愛と狂気を痛いほどに感じる一週間!

「今回は立誠シネマさんにて、歴史と伝統ある小学校の建物にて上映していただけると言う事で、京都らしい素晴らしい建物に敬意を表しまして、本気も本気、全開バリバリのプログラムを組んでみました。まあ、言ってみれば、お釈迦様の手の中で暴れまわる孫悟空みたいなもんです。例えお釈迦様の手の内でも、あきらめちゃぁいかんですね。まあ、戦う映画監督の姿、しっかりと見届けてほしいっす!!何と戦ってんのか、さっぱりわからないんすけど(笑)」平野勝之

 

【上映スケジュール】


6月18日(土)トーク含め約120分
未公開作品「太平洋の地獄 サイパン水着ギャルの戦争」劇場版上映
★平野監督来場!トークあり!

6月19日(日)
劇場版「ザ・タブー恋人たち 自力出産ドキュメント」83分

6月20日(月)
★2本で1プログラム
○「水戸拷悶 大江戸引き回し」60分
○「水戸拷悶 狂気の選択」60分

6月21日(火)
劇場版「素人ナンパSM」約120分

6月22日(水)約110分
★2本で1プログラム
○劇場版「ザ・きもだめし 飛んで火に入るAVギャル」約50分
○「柔肌(カラダ)に教えて2」60分

6月23日(木)
「プライバシーゼロ 秘密ライフ」78分

6月24日(金)102分
★2本で1プログラム
○「由美香2005 GAS物語」66分
○「野方ホープリクルート用VTR」36分

 

【上映作品】


「太平洋の地獄 サイパン水着ギャルの戦争」

1991年(未公開)
海外ロケ!水着ギャル!瑞々しく楽しいはずの撮影現場のはずが…ギャルと旧日本兵の格好をした制作陣(高槻彰、平野勝之、井口昇)の間に亀裂が生じ、文字通り、雪崩のごとく戦争状態へ。井口昇は悲しみの悲鳴を上げ、平野勝之はキレまくり、高槻彰は絶叫。発狂するプロデューサー。南国の島を舞台に、阿鼻叫喚の恐るべき2時間。

「これね、大変だったっすよ。もう現場めちゃくちゃです。ほとんどケンカしか写ってないんじゃないの?って。なんで単なる水着ビデオが、こんなんなっちゃうのさ?(笑)って。村西とおるさんの大作ドキュメント「ナイスですね」の公開控える高槻彰監督の頭のおかしさを存分に味わえる貴重な作品です。」平野


劇場版「ザ・タブー恋人たち 自力出産ドキュメント」【R18+】

1994年/83分/V&Rプランニング(未発売)
93年制作のウンゲロメルヘン「ザ・タブー 恋人たち」、94年にその続編として制作され、自力出産の様子が撮影されるも、ビデオ倫理審査協会の審査拒否により発売禁止された「ザ・タブー 恋人たち 自力出産ドキュメント」。この2本をミックス編集した劇場版。

「えーと、これは、タブー恋人たちと自力出産ドキュメントをひとつに合わせて、改めて劇場版としました。人間ってのは産まれてくる時はどんな状態でも産まれてきちゃうんですよね。そういうシンプルで強烈な事実がハッキリとわかる作品です。ある意味「監督失格」と対になってます。実にいい加減な出産を目撃する事ができます。審査に落ちて当たり前ですよ(笑)僕が審査員だったら、とんでもないっすよ、こんなもん(笑)」平野


「水戸拷悶 大江戸引き回し」【R18+】

1992年/60分/V&Rプランニング
AV業界に平野勝之の名を知らしめた伝説の作品。特別仕様のワゴン車に女を乗せて、身体的苦痛と羞恥に彩られた狂気の旅が始まる!ラストの花火のシーンは圧巻。スピード感ある爽快な一作。

「バイオレンスですが、これは劇場で見た方がいいですね、今までのお客さんの反応見てて、ハッキリとそう思います。生理的な問題はともかく、劇場体験としては適していると思うんですよ。表面だけ見るとエグいんで、なかなか入っていけないかも、ですが、実は脈々と流れる映画的な血を感じてほしいわけです。」平野

「水戸拷悶 狂気の選択」【R18+】

1997年 /60分(V&Rプランニング)(未発売)※水戸拷悶 不完全版のオリジナル完全版
続編。前作を上回るバイオレンスの嵐、負傷者2名、引退宣言が3名。舞台となった渋谷の街はパニック! 一切の救いが無い、史上最悪のバイオレンス巨編。

「市販品は「不完全版」とサブタイトルが付いてますが、まさにその通りで、これが完全版になります。後半の展開には、みんな真っ青になると思いますが、まあ、意図的な拷問がテーマなんでね。これまたスピードを増した映画的な血を味わってもらえればよろしいかと。毎度おなじみ井口昇君が本気でキレたり、もう何やってんだか、誰もわからない展開になっていくのも見所満載です」平野


劇場版「素人ナンパSM」【R18+】

1993年/約120分/シネマジック
平野と相棒の井口は、素人をナンパしてSMまでやる魂胆だったが、素人を捕まえられなかった。結局、井口が恋心を寄せる女友達を作品に引っ張り込むが…最新作『キネマ純情』公開中の井口昇監督、若き日の青春地獄絵巻。

「これは当時、素人ナンパSMシリーズとして3作品出ていたものを、劇場版として1本にまとめたものです。若き井口昇君の悲恋物語です。思うんだけど、SとMという人の精神構造に関して、間違えた認識してる人多いです。SMって形で入っていってもわからないですよ。精神の一番触れたくない部分にまで降りていかないと、本質はわからないと思う。本作品はそういった事が井口昇の恋を通してわかりやすく描かれています。」平野


劇場版「ザ・きもだめし 飛んで火に入るAVギャル」【R18+】

1994年/約50分/V&Rプランニング
本物の幽霊を撮影しようと墓場にAVギャル3名、変態男優、人間失格者などを集め、撮影を決行。バクシーシ山下作品でお馴染みの、ポンプ宇野、観念絵夢、井口昇などが墓場で入り乱れる。罰当たり満載の、お馬鹿ムービー。

「これはバクシーシ山下の作品でお馴染みのポンプ宇野さんが登場します。山下作品とは違い、彼のキャラクターが出てて面白いです。幽霊にガン飛ばしたりするからね(笑)あと、ポンプさんの弟のストロー宇野さんも登場してて、これまた面白い。「あんちゃん、アソコに幽霊が!」って(笑)結局、幽霊より撮影隊の方が怖かったって。観念絵夢が火だるまになったりと、これまた何やってんだかわからない作品(笑)」平野

「柔肌(カラダ)に教えて2」【R18+】

1995年/60分/シネマジック
あるカップル(貴龍沙月、北野雄二)がどのように結びついたか?を軸に、二人の少女の物語からハイジャック事件へと発展するメタフィクション。マンガ「人間仮免中」の卯月妙子が平野作品で唯一出演。原案は井口昇、ポンプ宇野も出演。

「ハイジャックものです(笑)ドラマです。ポンプ宇野さんが、初恋の相手を前に緊張しすぎてゲロ吐いたりする(笑)。最後は悲しいモンスター映画みたいになります。隠れた作品。僕、これ凄く気に入ってるんで、今回入れました。卯月妙子も出てるし、井口昇の原案だしお勧めです。」平野


「プライバシーゼロ 秘密ライフ」【R18+】

2000年/78分/hmp
平野の勤務するAV制作会社GASの新入社員 榎本くんが主人公。榎本くんは平野の『アンチSEXフレンド募集ビデオ』に感動、両親に自分の仕事を告白することを決意し自宅でカラミを撮るべく、悪い平野チームと里帰り。『青春100キロ』にも登場する榎本くんのファミリードキュメント。

「「青春100キロ」にメインスタッフで登場する榎本靖の15年前の青春物語。永久にわかりあえないであろう家族とAVの問題に真っ正面から挑戦する。ドキドキハラハラ、顔面蒼白になって笑えます。極悪平野チーム、ペヤンヌマキ、デモ田中が暗躍する、自分の代表作の一本と言っていいでしょう。青春100キロの原点のような作品です。」平野


「由美香2005 GAS物語」【R18+】

2009年/66分/ハマジム(未発売)
05年、平野は14年間勤めたAV制作会社GAS退社の記念に、ドキュメントAVを制作するが、撮影途上で林由美香の死に遭遇する。事件当日、別の場所でもう一台のカメラが回っていた…。林の死を題材にした『監督失格』のアウトテイク的作品。

「「監督失格」の例の遺体発見シーンは、この作品の撮影中に起きた出来事なんです。夢と希望を胸にAV業界に入ってきた苅谷文という演劇少女の目を通して描かれる、もうひとつの監督失格。いろいろな問題が浮き彫りになっていきます。必見ですね。ぜひご覧になって下さい。」平野

「野方ホープリクルート用VTR」

2015年/36分/野方ホープ(未発表)
『監督失格』で圧倒的な存在としてあった女優・林由美香の母、小栗冨美代さん。「由美香ママ」の経営するラーメン屋 野方ホープのリクルート用VTR。

「由美香ママ、小栗冨美代さんが亡くなり、ラーメン屋野方ホープの跡を継いだ、息子の小栗栄行さんのドキュメントです。一応、リクルート用として制作しましたが、ひでくんのお話でもあります。理想と現実のギャップに挑む彼の姿をぜひ見てほしいです。その後の監督失格として、元気が出る映像だと思います。また、これ見た後は絶対ラーメン食いたくなるはずです。これ見たら、ラーメンを食べましょう。」平野

 

【平野勝之プロフィール】


1964年生まれ、静岡県浜松出身。映画監督。
10代から8mm映画を撮り始めPFF3年連続入賞という偉業を成し遂げるも飯は食べていけず、知り合いを通じてAV制作会社シネマユニットガスに潜入、AV監督となる。その後、過激AVメーカーV&Rを中心に『水戸拷悶』、『わくわく不倫講座』といったヌケないがひたすら面白い傑作AVを数多く監督し、1997年には女優・林由美香との北海道自転車旅行を記録した『由美香』を劇場公開。
その後も自転車旅行を題材とした『自転車三部作』を作り、厳冬期の北海道を自ら走って撮影した『白 THE WHITE』はベルリン国際映画祭に出品された。2011年には11年ぶりの劇場作『監督失格』が全国上映されヒットした。