ジャーマン・メロドラマの系譜
上映スケジュール |
2016年4月22日(金)~4月29日(金)
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料金 |
1プロ600円(*一部800円あり) |
企画:渋谷哲也(東京国際大学 国際関係学部 教授/ドイツ映画研究)
主催:立誠シネマプロジェクト
協力:ゲーテ・インスティトゥート・ヴィラ鴨川
【立誠シネマで観る/学ぶワールドシネマ:ドイツ篇vol.02】
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コイトナー!シュレーター!ファスビンダー!
ナチ時代、ニューシネマ、そして新たな地平へと紡がれるドイツ製メロドラマの世界をご紹介。
ナチ時代に映画監督となり戦後も活躍したコイトナー、戦後の始まりに生を受けて「新しいドイツ映画」の旗手となったシュレーターとファスビンダー。この対比は多面的で屈折を抱えたドイツ映画史をまなざすための大きなヒントを与えてくれる。それは映画の王道としてのメロドラマが大衆娯楽からプロパガンダとなり、やがて徹底的に脱構築されて新たな美学を確立する過程だ。19世紀以前の音楽や演劇の伝統からハリウッドやアメリカン・アンダーグラウンドとの関連も含め、極めて政治的な娯楽映画であるメロドラマのユニークな系譜を辿ってみたい。(渋谷哲也)
◉上映タイトル(8作品)
1.『短調のロマンス(ロマンツェ・イン・モル)』(94分)
2.『グローセ・フライハイト7番地』(106分)
3.『橋のたもとで』(95分)
4.『爆撃機パイロット』(65分)
5.『マリア・マリブランの死』(104分)
6.『愚か者の日』(107分)
7.『リリー・マルレーン』(120分) ★800円
8.『マリア・ブラウンの結婚』(120分) ★800円
◉上映スケジュール
コイトナー作品 | |
『短調のロマンス(ロマンツェ・イン・モル)』Romanze in Moll1943年/94分 ★一部印刷物に「単調」と表記されているものがあります。正しくは「短調」です。お詫びの上、訂正いたします。
『グローセ・フライハイト7番地』Grosse Freiheit Nr. 71943-1944年/106分
『橋のたもとで』Unter den Brücken1944-1945年/95分
ヘルムート・コイトナー Helmut Käutner
1908年、デュッセルドルフ生まれ。8歳でエッセンに移り住む。1928年から、ミュンヘン大学でドイツ文献学、美術史、演劇学を学ぶ。在学中、演劇に強く傾倒。その後、カバレット・アンサンブル Die vier Nachrichter のメンバーとしてドイツ、オーストリア、スイスの劇場を巡業。1936年より、ライプツィヒ劇場で俳優、演出家として活躍。1939年、「キティーと国際会議」で映画監督デビュー。英国寄りの作品という理由で上映禁止となる。以後、30本以上の映画を監督する。第二次大戦後、ハンブルクの放送局で放送劇の仕事にも従事。1960年代にはテレビ界にも進出し、俳優としても活躍した。 彼は時代を反映したテーマで多くの娯楽映画を制作した。その商業的姿勢は後世の監督たちから批判にさらされたこともあったが、優れた娯楽映画を作り続けた監督として再評価が進むと同時に、今なお多くの観客を魅了し続けている。 |
シュレーター作品 | |
『爆撃機パイロット』Der Bomberpilot1970年/65分
『マリア・マリブランの死』Der Tod der Maria Malibran1972年/104分
『愚か者の日』Tag der Idioten1981年/107分
ヴェルナー・シュレーター Werner Schroeter1945年生まれ。少年時代よりオペラに親しむ。8ミリでの映画製作を経て、16ミリでパフォーマンスを記録した実験映画「ノイラージア」「アルジラ」をハンブルグ映画祭に出品し、多くの注目を集める。1969年、マグダレーナ・モンテツマを主演にむかえ、それまでの実験映画の集大成ともいえる長編第一作「アイカ・カタパ」発表。以後、オペラティックで魅惑的な作品を発表し続け、友人でもあるライナー・ヴェルナー・ファスビンダー、ダニエル・シュミットらと共に新しい世代の映画作家としての地位を確固たるものにした。1972年以降は演劇やオペラの演出と活動の場を広げていく。2010年65歳で死去。 監督シュレーターはこれまでほとんど誰も成功したことのないことに成功した。 |
ファスビンダー作品 | |
『リリー・マルレーン』Lili Marleen1980年-1981年/120分
『マリア・ブラウンの結婚』Die Ehe der Maria Braun©1979 Rainer Werner Fassbinder 1978年/120分 ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー Rainer Werner Fassbinder1945年5月31日、バート・ヴェーリスホーフェン生まれ。1967年に劇団「アクツィオーン・テアーター」に参加。同劇団解散後の1968年、仲間たちとともに劇団「アンチテアター」を設立。劇団メンバーとの挑発的かつ実験的な長編映画制作を始める。1978年に発表した『マリア・ブラウンの結婚』により、ニュー・ジャーマン・シネマを代表する監督として世界的に認知される。『リリー・マルレーン』(1980/81)『ケレル』(1982)では国際的スターを起用した大作映画を撮り上げる。ドイツ映画の未来を託される希有な存在となった矢先の1982年6月10日、37歳で急死。彼の映画は、女性の抑圧、同性愛、ユダヤ人差別、テロリズムなどスキャンダラスなテーマが多く、常に激しい議論を巻き起こした。遺された42本の監督作品は、今日にも多くの問題を提起し続けている。 |
主催: 協力:
上映協力:
★ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー幻の作品がよみがえる!京都公開!★
『あやつり糸の世界』(第一部(105分)、第二部(107分)同時公開)
立誠シネマにて2016年5月7日(土)よりロードショー!
メロドラマの次はSFだ!『2001年宇宙の旅』『惑星ソラリス』『ブレードランナー』に連なり、『マトリックス』『マイノリティ・リポート』『インセプション』に先駆けた、鬼才ファスビンダーによる幻のSF作品、極上のデジタルリマスターで公開!ヴァーチャルなリアリティが迫り来る今この時代に新たな輝きを放つファスビンダー的多層世界!必見!
★特典ポスター付き前売2プロ券(2400円)発売中!*上映開始まで。
★5/7(土)渋谷哲也さん(本作日本語字幕)レクチャー!
▶詳細はこちら http://risseicinema.com/movies/15415