ベルリン・アレクサンダー広場
上映スケジュール |
6月1日(土)〜 |
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料金 |
【全話鑑賞カード】※劇場窓口のみ取扱い |
1979年-1980年/西ドイツ・イタリア/14時間57分(全14話構成・8プロ上映)/HD/株式会社アイ・ヴィー・シー
監督:ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー 出演:ギュンター・ランプレヒト、ハンナ・シグラ、エリーザベト・トリッセナー、バーバラ・ズコヴァ、ゴットフリート・ヨーン
死にたくなければどう生きるか
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intoroduction
戦争、失業、犯罪の増加、ファシズムの台頭…不安に満ちた大都市ベルリン
ニュー・ジャーマン・シネマの鬼才、ライナー・ヴェルナー・ファスビンダーの集大成的超大作、全14話、15時間の圧倒的体験!
1920年代末ドイツのベルリン。二つの世界戦争に挟まれた不穏な時代。第一次大戦敗戦の痛手で社会は不安定を極め、失業者は日々増加し、犯罪が横行していた。またナチスと共産主義者の対立も激しさを増していた。その半面ベルリンはヨーロッパ有数の大都市として爛熟した文化が花開いた。そんな激動の時代を一人の“普通”の男、フランツ・ビーバーコップが辿る受難に満ちた物語である。
episode
第1話[プロローグ]「処罰が始まる」(82分)
フランツは恋人イーダ殺害の罪でテーゲル刑務所に服役していた。出所した彼は大都市ベルリンの中で行き場を失う…。
第2話 「死にたくなければどう生きるか」(59分)
「まっとうに生きる」と誓ったフランツは、ネクタイ留めやポルノ雑誌販売を始めるがうまくいかない。ある時、深い考えもなくナチスの党新聞販売に手を染めるが…。
第3話 「脳天の一撃は心をも傷つける」(59分)
今度は、訪問販売を始めたフランツ。とある玄関先に立った彼を見て、住人の女性は動揺した。フランツは彼女の死んだ夫にそっくりだったのだ…。
第4話 「静寂の奥底にいる一握りの人間たち」(59分)
友人たちの前から姿をくらましたフランツは、日々酒に溺れている。フランツは自身の窮状を旧約聖書のヨブになぞらえる…。
第5話 「神様の力を持った刈り手」(59分)
フランツはイカサマ商売の元締めプムスと知合うが、仲間に加わる事は拒む。だがその一味のラインホルトに強く心を奪われる…。
第6話 「愛、それはいつも高くつく」(58分)
フランツはラインホルトの女グセの悪さを直そうとするが、彼は聞き入れない。彼の口車にのってフランツはある仕事にでかける。
第7話 「覚えておけ―誓いは切断可能」(58分)
元恋人エヴァの家に厄介になっているフランツ。体も衰弱し再び酒浸りになり、ある酒場でエミーという女に出会う。
第8話 「太陽は肌を暖めるが時に火傷を負わす」(58分)
自宅に戻ったフランツは、まっとうに生きるという誓いを捨て、シニカルな人間になっていた。ある日ヤクザな若者ビリーが訪ねてきて…。
第9話 「多数派と少数派の間の永遠の隔たり」(58分)
フランツは恋人ミーツェに養われるヒモ生活を始める。彼は久しぶりにラインホルトを訪ねる。
第10話 「孤独は壁にも狂気の裂け目を入れる」(59分)
不妊のミーツェの代わりに、エヴァがフランツの子供を作るという密約が女たちのあいだで結ばれる。フランツは仕事もせずいよいよ酒に溺れていく。
第11話 「知は力 早起きは三文の得」(59分)
フランツはラインホルトを訪ね、また一緒に仕事を始める。彼はラインホルトに自分とミーツェの仲を見せつけようとするが…。
第12話 「蛇の心の中にいる蛇」(59分)
ラインホルトはミーツェをある森に連れ出す。その森は以前、フランツとミーツェが仲直りした場所だった。
第13話 「外側と内側、そして秘密に対する不安の秘密」
ミーツェが戻らない事に、フランツとエヴァは不安を抱く。ある日イカサマ商売をしていたフランツは、仲間のヘマで失敗してしまう。
第14話[エピローグ]「ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー:フランツ・ビーバーコップの夢についての私の夢」(112分)
このエピローグが示すのは、二人の破滅した男の関係をめぐるグロテスクなイメージのパノラマである。
profile
【監督】ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー (1945-1982)
1945年5月31日、バート・ヴェーリスホーフェン生まれ。1967年に劇団「アクション・テアター」に参加。同劇団解散後の1968年、仲間とともに劇団「アンチテアター」を設立。劇団メンバーとの挑発的かつ実験的な長編映画制作を始める。1978年に発表した『マリア・ブラウンの結婚』により、ニュー・ジャーマン・シネマを代表する監督として世界的に認知される。1979年、念願の企画『ベルリン・アレクサンダー広場』映画化を実現。『リリー・マルレーン』(1980)、『ケレル』(1982)では国際的スターを起用した大作映画を撮り上げる。ドイツ映画の未来を託される稀有な存在となった矢先の1982年6月10日、37歳で急死。彼の映画は、女性の抑圧、同性愛、ユダヤ人差別、テロリズムなどスキャンダラスなテーマを扱うものが多く、常に激しい議論を巻き起こした。遺された45本の監督作品は、没後30年後の今日にも多くの問題を提起し続けている。
【原作】アルフレート・デーブリーン (1878-1957)
1878年8月10日、シュテッティーンのユダヤ人一家に生まれる。大学で医学を修め、精神科医となるが、一方で作家として執筆活動も行う。表現主義や社会主義に傾倒した時期もあり、またブレヒトとも親交を持つ。1929年に発表した長編小説『ベルリン・アレクサンダー広場』は“ドイツ散文の傑作”と評され、彼を人気作家に押し上げた。1933年、ナチスが政権を掌握しパリに亡命、さらにアメリカへと逃れる。終戦とともにヨーロッパに戻り、フランス占領軍政府の文学監督官としてドイツのバーデン=バーデンに駐留。戦後ドイツ社会の実情に落胆し、一旦パリに戻った後、50年代半ばよりドイツの病院や療養所を転々とする。1957年、死去。彼の代表作『ベルリン・アレクサンダー広場』は、ナチス時代へと傾いていく不穏な時代の社会の病理を克明に記述しているだけでなく、爛熟した文化を生み出した大都市ベルリンの魅惑的な風俗をも余すところなく伝えている。